岡崎市議会での教育委員会の答弁 もどる
1.小学校の英語活動
2.全国学力テスト
3.教員の配置とゆとり 専科教員
4.いのちの教育アクションプランと携帯電話について
5.地震対策 校舎の耐震化について
6.ネット上のいじめ、中1ギャップ、岡崎市在住の新高校生が1年以内で退学した生徒数
7.放課後、全児童の安全と健全育成をどのように確保するか
8.学校について
9.教育センターについて
10.子ども科学館について
11.学校給食について
4.いのちの教育アクションプランと携帯電話について
◆【質問】(山本雅宏)(09年3月議会)
次に、いのちの教育アクションプランについてであります。全国で一昨年、連鎖的に起こってしまった、いじめによる子供たちの自殺を受け、自他を大切にする豊かな心をはぐくみ、確かな態度・行動形成を図ることを目的に、家庭、地域、園・学校、行政、子供のそれぞれの部会で提言をまとめられたとのことですが、現況と今後の課題についてお聞かせください。
また、いじめの要因の一つに携帯電話があります。日本教育新聞の解説に、「きょう いちばんよく見ていたのは ケータイかもしんない」というJRの車内広告が引用されていましたが、携帯そのものが若者の生活に必須のものとなっております。そうした中、大阪府の橋下知事は原則学校への持ち込みは容認しない旨を発表、埼玉県教育委員会も近く県立高校内での持ち込みの禁止を各校に呼びかける旨、発表されております。また、文科省の調査では、公立小学校の94%、中学校の99%が原則持ち込み禁止となっているとのことであります。
そこで質問ですが、本市の小中学校の状況並びに本市の携帯についての考え方をお伺いします。
◎【答弁】教育委員会教育監(小林義孝)
私のほうからは、7の教育・文化の振興についての(2)いのちの教育アクションプランと携帯電話についての御質問にお答えをさせていただきます。
初めに、いのちの教育アクションプランでありますけれども、本年度のアクションプランにつきましては、児童生徒が主体となる活動が141件、そのうち40件が新規、家庭・地域が主体となる活動が137件、うち28件が新規の活動として報告をされました。
また、五つの部会が行ったその他の活動や事業が115件あり、総数393件のアクションプランが展開をされました。特に本年度、5部会が企画をしました新たなアクションプランとしましては、家庭部会では家族いきいきフォトコンテスト、子供部会ではいじめ撲滅シールの作成・配布、園・学校部会では小学校版いのちの教育学習指導案事例集の作成及び授業の実施、行政部会では学校相談員の配置による相談体制の強化、地域部会では夜間パトロールを柱とした地域の協力体制の強化・拡充などがあり、さまざまな角度から事業の推進を見ることができました。
3年間の実施期間を設けましたいのちの教育アクションプラン推進事業は、来年度が最終年となります。今後の課題としましては、これまで五つの部会がそれぞれの英知を結集して展開した活動を継続・発展させていくこと、そしてそのために五つの部会がより強固な協働体制を築き上げていくことが大切であると認識をしております。
続いて、携帯電話のことでありますが、本市では、市内すべての小中学校におきまして、平成14年度から携帯電話の校内への持ち込みは原則禁止するとしております。この「原則」とする理由につきましては、学区指定区域外から登校してくる生徒、下校時ひとりで長く距離を歩くなど、安全面の配慮が必要であると判断するケースや、持病など健康面の配慮が必要となるケースがあるためであります。その場合の許可につきましては、保護者からの許可申請を校内で協議し、決定をしております。現在、保護者の申し出を許可した児童が、小学校1年生が1名、2年が1名、3年2名、4年1名、5年3名、6年生が3名ありまして、中学生につきましてはありません。
なお、学校に持ち込んだ携帯電話につきましては、教員が預かって下校時に本人に返すようにしております。また、携帯電話につきましては、その危険性を子供や保護者に伝えていくための取り組みとして、情報モラル教育の充実と教員の指導力の向上、保護者への啓発、家庭・地域の連携に力を入れているところでございます。
以上でございます。
5.地震対策 校舎の耐震化について
◆【質問】(鈴木雅子)(09年9月議会)
(3)地震対策についてです。
学校校舎内の飛散防止フィルムの取りつけ状況についてお答えください。
教員やPTAなどボランティアで作業していて、けががあった場合の保障がされるのか、業者委託は考えられないか、また業者委託にした場合、概算どれぐらいかかるのか、お聞かせください。
飛散防止フィルムも有効ですが、地震対策の進んでいる静岡県では金網の入った強化ガラスが使われていました。岡崎市の教室の窓はどういう耐震構造になっているのか、お聞かせください。また、金網入りのガラスにかえるべきと考えますが、検討されているのか、お聞かせください。
棚やテレビ、スピーカーなどの転倒、落下防止はどのようになっていますか。普通教室だけでなく、理科室、家庭科室などの特別教室、体育館、図書室なども行っているのか、お聞かせください。
◎教育委員会教育部長(古澤吉則)
(3)地震対策のうち、まず飛散防止フィルムの現状でございますが、飛散防止フィルムにつきましては、普通教室及び特別教室と廊下の間の窓ガラスにフィルムを張ることにより、地震等によるガラス落下飛散を防止し、児童生徒の避難経路を確保し、安全なところへ避難を可能にし、災害による被害を少なくするために、平成20年度に小中学校に配布し、各学校で張ったものでございます。
建物内部で高所もないことから危険度も低いと判断し、長い夏休みを利用して校務員及び教師を中心にPTAの御協力により実施したものでございます。
もしけが等の災害があった場合どうするつもりだったかということですが、教師の場合には公務災害として対応をしていく予定でありました。また、PTAの方に対しましては、愛知県小中学校PTA連絡協議会傷害保険で対応する予定でございました。
これを業者委託した場合、概算幾らになるかということでございますが、概算額としましては、20年度における張りつけ面積でいいますと1校当たり平均120万円、全体で約7,000万円でございます。
それから、今後張りつけ業務を業者委託にならないかということでございますが、外周りの飛散防止フィルムの張りつけにつきましては、高所もあり危険を伴うと考えられますので、業者委託で実施するように検討してまいります。
それから、網入りガラス導入の件でございますが、今後教室から外側への避難経路の確保の観点から、新築・改築の際には網入りガラスあるいは強化ガラスの採用を検討し、既設の校舎につきましては飛散防止フィルムの張りつけを検討していきたいと思っております。
それから、現在小中学校に設置してありますテレビ、棚、スピーカー等、これらの転倒防止の対策はどうかということですが、各小中学校に設置してありますテレビにつきましては、平成18年度に固定ベルトを購入し、転倒防止に努めたところでございます。また、テレビ以外の棚等につきましては、平成18年度より防災・防犯対策として3年間各学校に予算配当をし、転倒防止対策等に努めてきたところでございます。
◆【質問】(山本雅宏)(09年3月議会)
校舎の耐震化については、平成20年度末では小学校50校中28校、中学校19校中12校で、平成24年度までに耐震化率100%達成予定を昨年、2年前倒しして実施する旨の説明がございましたが、大幅な税収減を受けても予定どおり行われるのかどうか、今後のスケジュールとあわせ確認しておきたいと思います。
◎【答弁】教育委員会教育部長(佐野邦明)
私のほうから、校舎の耐震化についてでございます。
大幅な税収の減になっても予定どおり耐震化を行われるかという御質問でございますけれど、校舎の耐震化は、児童生徒の安全対策を最優先に考えておりますので、2年前倒しをして予定どおり22年度完了計画を進めてまいります。
今後のスケジュールでございますけれど、当初の平成22年度完了計画を見直しまして、年間工事量を2倍にふやして耐震化を進めてまいります。21年度は、小学校が11校、中学校2校を実施して、耐震化率は76.8%となります。22年度は、小学校10校、中学校5校を実施して、豊富小学校の耐震化を除きますと、校舎耐震補強事業は完了となります。
なお、豊富小学校につきましては、校舎改築事業として西棟の改築、東棟は耐震補強でおおむね2年間の工事期間を予定していますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◆【質問】(村越恵子)(09年3月議会)
(4)小・中学校の耐震補強につきましては、昨日の回答でおおむね理解をいたしました。私からは、3点お聞きをいたします。
@耐震補強実施校の優先順位の考え方について。
A耐震補強後のIs値の情報公開について。
B2年間前倒しをして具体的にどのように工事をしていかれるのか、お聞かせください。
◎【答弁】教育委員会教育部長(佐野邦明)
(4)の小・中学校の耐震補強でございますけれど、基本的には構造耐震指標Is値の低い学校から順次実施をしてまいりました。補強事業に着手した平成10年当時は、まだ全校舎の耐震診断が完了しておりませんでした。そのため、建築年次に合わせて耐震診断を行って、補強設計、それから補強工事を実施したわけでございます。耐震診断がすべて完了しました後は、Is値0.3未満を最優先に、順次Is値の低い順に施工してまいりました。2年前倒しにより中学校のはつり工事は夏休みを中心に計画し、基本的にはIs値の低い順から学校の耐震化を実施してまいります。
続きまして、情報公開、Is値の公開はどうかということでございます。現在、岡崎市のホームページで各学校単位の耐震診断結果と耐震補給の予定年次を公表しております。補強完了後もIs値の公表についても予定をしていきたいと考えておりますので、お願いいたします。
それから、2年前倒しをしてどんな方法で具体的に行うのかということでございますけれど、これまでははつり工事を夏休み中心に施工してまいりましたが、2年前倒しにより工事量が増大し、夏休み以外でも工事施工をする必要が生じてまいりました。これによりまして、工事期間が集中しなくなり、工事量が増大しても対応できると、こういうふうに考えておりますので、施工業者についても確保が可能になってまいります。夏休み以外の施工は、補強箇所数が比較的少ない学校を計画し、はつり工事を軽減できる外づけブレース工法というものを今年度から採用しております。はつり工事は、土曜日、授業の後を中心に行うなどして、できる限り授業に影響が出ないように配慮してまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
6.ネット上のいじめ、中1ギャップ、岡崎市在住の新高校生が1年以内で退学した生徒数
◆【質問】(原田範次)(09年3月議会)
(6)教育・文化の振興について。
ア、学校教育の充実についてお聞きします。
教育の質の向上として、いのちの教育を推進されているところでありますが、情報化の進展は子供の世界に大きな影響を及ぼしています。子供が携帯電話やインターネットを利用する機会が近年急激に増加して、生活スタイルや人間関係づくりにも影響が出ています。
例えば、いわゆる「学校裏サイト」と呼ばれているインターネットの非公式サイトを利用し、特定の子供の誹謗中傷を書き込んだり、携帯電話のメール機能を利用して人の悪口を多くの人に送りつけたりするなど、ネット上のいじめという新しい形のいじめ問題が発生しています。ネット上のいじめについては、不特定多数の者から集中的に攻撃を受けるため、被害者が短期間に深刻な状況に追い込まれること、保護者や教師など身近な大人でも、子供たちの携帯電話やインターネットの利用実態が十分に把握できないため、ネット上でのいじめを発見することは難しいことなどが指摘されております。
また、いのちの教育、豊かな心、問題を乗り越える心をはぐくむ指導をしていただいておりますが、「中1ギャップ」と言われる小学6年から中学校に入学してから、不登校・保健室登校となる生徒が多数います。こうした全国的現象は、各地教育委員会においては大きな問題として、小中一貫教育など、大胆に対策が取り組まれております。
また、高校に進学後、1年以内に退学する生徒が多数いる事実と、高校を中退した生徒の大半がフリーターになっているという現実があります。こうした現状を教育現場から問題として聞こえてこないことに寂しさを感じております。これらを踏まえ、お尋ねをいたします。
1、岡崎市におけるネット上のいじめが原因の認知指導数、5年間の推移、また、岡崎署管内でのネット上の相談件数、5年間の推移と20歳以下の比率はどうか。
2、ネット上のいじめに対してどのような支援・相談体制が組み込まれているか。
3、中1ギャップと言われる中学入学後から不登校になった生徒数、5年間の推移をお聞かせください。
4、岡崎市在住の新高校生が1年以内で退学した生徒数、3年間の推移を公立校、私立校に分け、どのようになっているか。
◎【答弁】教育委員会教育監(小林義孝)
私のほうからは、2の(1)のイと(6)のアについてお答えをさせていただきます。
まず、児童生徒の安全確保の取り組みと通学路の安全対策についてでありますが、本年2月に「あいち地域安全新3か年戦略」が出されましたけれども、岡崎市におきましては、既に学校内における門扉や施錠などの施設の安全確認、危機管理マニュアルの確認・見直しを毎年実施してきております。加えまして、不審者侵入を想定した訓練も実施し、児童生徒及び教員の安全意識の高揚と対応力の向上に努めております。なお、子供の登校時間から下校時間まで校門で不審者対応のボランティアがいる学校もございます。
また、通学路の安全対策につきましても、各学校の登下校ボランティアの登録総数が約2万9,000人に上るほか、登下校の見守り活動やこども110番、チョキちゃんこども110番など保護者、地域ぐるみの体制づくりが進んでおります。さらに、市内のすべての小中学校では、通学路及び学区内の危険箇所等を明示した子供の安全マップを制作し、児童生徒に周知をさせているところです。今後も、地域と連携しながらこれらの取り組みを継続し、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
続いて、ネット上のいじめの認知指導件数の推移というお尋ねでありますが、小中学校がネットいじめであると認知し、指導した件数につきましては、平成18年度が6件、平成19年度が16件となっております。ちなみに、平成17年度以前は調査を行っておりません。なお、本年、平成20年度は2学期までに12件となっております。
また、20歳未満の少年やその保護者を対象とした相談機関である岡崎市少年愛護センターへのネットいじめに係る相談はないと聞いております。ただし、岡崎警察署には平成19年2件、平成20年3件の相談があり、平成20年の3件のうち1件は小中学生以外の少年であるということでございます。
次に、ネット上のいじめに対する支援・相談体制でありますが、ネットいじめに限らず、いじめの実態を把握することは容易ではないため、学校はいじめの早期発見に向けて定期的なアンケートを行ったり、1対1で面談を中心とした教育相談体制を強化したりしております。また、ネットいじめに対応するためには、ネットモラルの向上を図ることが重要であると考え、県警サイバー犯罪対策室担当者を講師に招き、子供や保護者、地域を対象とした学習会を開催したり、情報モラルをはぐくむ授業を展開したりしているところであります。
なお、学校裏サイトにつきましては、各小中学校の教頭が週1回、掲示板サイトを点検し、未然管理に努めるとともに、発見した場合にはサイト管理者を通じて削除要請を行うなどしております。
次に、中1ギャップと言われる中学入学後の不登校の生徒の推移というお尋ねでありますが、本市の不登校が主な原因で欠席日数が年間30日を超える児童生徒数につきましては、小学校6年と進学後、次年度の中学校1年生における数の差の推移が、平成15年度46名、16年度61名、17年度59名、18年度54名、19年度38名となっており、小・中学校間の差は縮まる傾向が見られております。しかし、不登校対策は本市におきましても喫緊の課題でありますので、各小中学校の連携を密にした未然防止対策を進めているところでございます。
最後に、高校生の1年以内での退学者数の推移ということでありますが、退学者につきましては、高等学校から中学校への報告はありませんが、中学校のほうが把握している数字で申し上げますと、公立高校が平成18年度23名、19年度35名、20年度38名であり、また私立高等学校につきましては、平成18年度が24名、19年度24名、20年度32名というふうに伺っております。
7.放課後、全児童の安全と健全育成をどのように確保するか
◆【質問】(原田範次)(09年3月議会)
2、児童福祉の充実につきまして、子供たちを取り巻く状況は経済状況により厳しさを増しております。できればどの親も手元で子供を育てたい。しかし、できない現実があります。親として給食費、教材費の未納はしたくないのであります。子供に恥ずかしい思いをさせないため、働きに出る人がふえております。放課後、児童育成センターへの入所希望も急増しております。施設のない学区の子供は、入所できないか、入所するために隣の学区に出かけています。しかし、既に隣の学区でも子供であふれているわけであります。放課後、全児童の安全と健全育成をどのように確保するかが課題であります。
こうした問題に対して、全小学校を集団下校とし、6年生の授業が終わるまで下級生は学校内で自由時間とする。また、早く帰りたい児童は引き取り下校とする。その後なお、約5時ごろになるわけでありますが、5時以降まだ両親が働いている家庭の児童に対して、児童育成センターへの入所を認める。このように学校の制度を変更するだけで大幅な放課後児童の保護が図られるわけでありますので、教育委員会の見解をお尋ねします。
◎【答弁】教育委員会教育監(小林義孝)
2次質問で2件をいただきましたので、順次お答えをしたいと思います。
初めに、小学校は集団下校として、下級生は6年生の授業が終わるまで学校内で自由時間にすることに対する見解ということでありますけれども、学校のカリキュラムにつきましては、下級生の体力、集中力、持続力を考えた上でつくられております。授業後に自由時間として学校内で過ごすことにつきましては、学校では上級生が部活動に取り組み、その指導を安全管理を含めて原則として全教師が当たっていることから、部活動が実施されている時間帯で下級生の安全管理を並行して行うことは難しいと考えます。
議員の1回目の質問の中にも子供たちの問題を保育園・学校に多く依存している旨の御発言がありましたが、そうした意味からも、私どもとしましては、できるだけ温かな家庭でゆっくり過ごすなど、家庭教育の充実や地域の教育力を大いに期待するものでございます。